自己破産すると給料はどうなる?差し押さえられるケースは?
返済できない多大な負債を抱えた場合、自己破産を考える人もいらっしゃるでしょう。
今回は自己破産をしたら給料の面でどのような影響があるか、わかりやすく例を挙げて説明します。
自己破産とは
借金があり、自分の収入や財産のみでは返済できない場合に、自己破産の選択肢があります。
自己破産を裁判所に認められると、借金を返済しなくても良い免責決定の状態になります。
借金を返済できない場合は、新たなスタートを切るきっかけになるでしょう。
差し押さえの対象になる給料
自己破産した場合、差し押さえの対象になる財産は、自己破産決定の時に手元にある財産と考えられます。
給料の場合は、自己破産手続き中と手続き後に支給される月給、ボーナスならば、差し押さえの対象にはなりません。
給料が差し押さえられるかもしれないケース
自己破産して財産のみでなく、給料まで差し押さえられたら困ってしまうでしょう。
考えられるのは、破産手続きが始まった時に、受け取り予定の給料を意味する給与債権がある場合です。
ただし、その場合に差し押さえられると考えられるのは、受けとる給料の一部分の可能性が高いです。
月末締め、翌月最終日支払の場合で考えてみます。
この場合、4月30日の時点で、5月31日に給料を受けとる給与債権があるとします。
仮に、5月1日に破産手続き開始の決定になった場合で考えてみます。
その場合、給与債権も財産に含まれると考えられるため、一部ですが差し押さえられる可能性は高いです。
しかし、全額処分になることは考えられませんので、給料の一部とも考えられる給与債権の4分の3までは残せるでしょう。
ただし、上限は33万円となっています。
退職金が差し押さえられるケース
退職金の場合は受取り方によって、差し押さえられる額に差が出てくる可能性が生じてしまいます。
たとえば、すでに退職金を受け取っている場合は全額が差し押さえられますが、退職したもののまだ受け取っていないケースだと4分の1が差し押さえられてしまいます。
加えて、退職の予定がなくまだ在職中のケースだと8分の1が差し押さえられる可能性は高いです。
まとめ
自己破産した場合、給料が処分の対象になるか否かについて解説しました。
給料の差し押さえはケースバイケースで、給与債権となっている場合は一部が差し押さええられる場合も考えられます。
ですが自己破産前、自己破産手続き中、自己破産手続き後に発生する給料、ボーナスならば、差し押さえの対象にはならないでしょう。
借金で自己破産をお考えの場合、司法書士への相談を検討してみてください。
当事務所の基礎知識
-
土地の遺産相続の期限...
故人の遺産の中に土地など不動産があった場合、 その土地も相続人に対する相続財産として扱われます。相続人は土地の相続について登記の手続きを取る必要がありますが、 その期限はあるのでしょうか。 結論として、不動産の […]
-
FXや株でできた借金...
債務整理には大きく分けて「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3種類があります。FXや株に関しては、「自己破産」において明文上の規定が存在するため、他2つの手段と分けて説明します。 自己破産とは、自分の積もった […]
-
相続財産に不動産があ...
遺産とひとくちにいっても相続される財産には預貯金・不動産をはじめ株式に、自社株などといった有価証券、会社などを経営していた場合は備品や機械なども含まれ、残される財産の種類は多岐にわたります。今回は不動産を相続した場合にど […]
-
役員変更登記の流れや...
代表取締役といった会社の役員には、任期が存在します。そのため、役員が変わらない場合でも、任期が切れるタイミングで、変更登記が必要となります。ここでは、役員変更登記の流れと必要書類についてご紹介します。 ■役員変 […]
-
少額訴訟にかかる費用
通常の民事裁判は、原告が訴えを提起(民事訴訟法133条1項)してから判決が出るまでに、おおよそ半年以上かかると言われています。その期間内に当事者双方が証拠に基づいて事実上の主張をし、裁判所がそれらを法律上の主張に組み立て […]
-
任意整理を専門家に依...
借金の返済でお困りの場合、債務整理を検討されたことがある方も多いのではないでしょうか。債務整理には、任意整理・民事再生(個人再生)・自己破産という3つの種類があります。借金の状態に応じて、最適な債務整理方法を選択する必要 […]
よく検索されるキーワード
司法書士紹介
【代表司法書士】
武藤 清隆
(東京司法書士会所属)
事務所概要
事務所名 | 武藤司法書士事務所 |
---|---|
代表司法書士 | 武藤 清隆(むとう きよたか) |
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-7-3 ヴェラハイツ新宿御苑904 |
電話番号 / FAX番号 | TEL:03-3352-8601 / FAX:03-3352-8612 |
営業時間 |
平日:10:00~18:00 ※事前予約で時間外も対応致します。 |
定休日 |
土・日・祝日 ※事前予約で対応致します。 |