相続の流れ
遺産相続とひとくちで言っても相続人になった方はさまざまな手続きをおこなわなければなりません。今回は相続発生から、相続が完了されるまでの基本的な流れを説明させていただきます。
まず相続開始の具体的な日にちを確認していきましょう。相続が始まるのは被相続人が死亡した日、もしくは死亡したことを知った日からになります。相続開始は後述します手続きにおこなうにあたって非常に重要なものになりますのでしっかり覚えておきましょう。なお、被相続人とは亡くなった人のことをさします。
相続開始によって発生する手続きには期限が定められています。短い順に相続放棄・限定承認の手続き、被相続人の準確定申告、相続税の納付・相続税の申告です。それぞれの期限については後述させていただきます。
相続が始まったら法定相続人と被相続人の残した財産の把握、また遺言者があるかどうかの確認が必要です。法定相続人とは被相続人の近しい関係にある人でおもに血のつながりによって定められており、対象範囲は被相続人の子供・両親・兄弟姉妹などになります。ちなみに被相続人の配偶者がいる場合、配偶者は必ず相続人に選ばれる運びになっております。法定相続人の人数は相続税と密接な係わりがあるのでしっかりと洗い出しておきましょう。
また被相続人が残した遺産についても必ず調査をおこなってください。遺産の金額が大きい場合、相続税が発生する可能性があります。相続税を支払うときに、遺産の見落としがあるペナルティが発生し追加で税金を納めなくてはならなくなるので注意しましょう。遺産として相続税の対象になるものは現金や預貯金、不動産だけでなく株式などの有価証券や自動車などの動産、貴金属・宝石類など多岐にわたります。そのため価値がないと決めつけないで、課税対象になるかどうかを把握しておきましょう。
遺産総額の確認ができたら実際に遺産の分配方法を決めます。遺産を分ける方法は3つあり遺言書・法定相続・遺産分割協議になります。
この中で一番効力が強いのが遺言書になります。被相続人が遺言書を残していたら、基本的にそれに沿って遺産が分割されます。遺言書がない場合は法律によって定められた配分で相続人に遺産が分配される法定相続か、相続人全員で話し合って決める遺産分割協議のどちらかになります。
では次に上述した相続放棄・限定承認の手続き・被相続人の準確定申告・相続税の納付・相続税の申告について期限を含め説明させていただきます。
【相続の手続き】
・相続開始から3か月以内におこなう手続き
相続開始から3か月以内にしなければならないことは相続放棄と限定承認の申請になります。こちらのふたつはおもに被相続人の遺産に債務があった時に利用する制度になります。
相続放棄とは簡単に言うと被相続人の遺産を一切相続しないという手続きです。通常、残された遺産が借金でマイナスにしかならない際に利用します。一方の限定承認はおもに遺産がプラスになるかマイナスになるか分からないときに使用するものになります。遺産のプラスの財産がマイナスよりも上回ったときには、その財産を相続することができ、反対にマイナスが多いときにはプラスの遺産を返済に充て、超過した分については支払わなくてよい制度です。こちらはかなり期限が短いので申請したい方は早めに用意をしておきましょう。
・相続開始から4か月以内におこなう手続き
相続開始から4か月以内にすることは被相続人の準確定申告になります。被相続人に収入があった場合死亡した年の1月1日から死亡日までの所得税の確定申告をやらなければなりません。被相続人の住んでいた場所を管轄する税務署に提出する必要がありますので忘れないようにしましょう。
・相続開始から10か月以内におこなう手続き
相続税が発生した場合には相続税の納付、相続税の申告をおこなわなければなりません。なお、相続税の申告は実際に相続税を支払わないときでも提出しなければならないケースがあります。配偶者控除や小規模宅地等の特例を利用される方、また相続税の支払い期限を延長するときにも申告を要しますので注意しましょう。
以上が基本的な相続の手続きの流れになりますが、ご覧いただければわかるようにかなりタイトな期間で手続きをしなければなりません。また手続きをしている際に悩みや困りごとも出てくるでしょう。そんな時は一度専門家に話を聞いてみるのも良いかもしれません。
司法書士は、相続について法律の観点からアプローチし、ご家族にとって最適な相続を実現いたします。税の専門家である税理士や争訟の専門家である弁護士などとも協力して、ご相談者様のサポートをおこなっております。武藤司法書士事務所では、新宿区・渋谷区・中野区を中心に、全国からのご相談を承っておりますのでお気軽に連絡ください。
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