不動産登記に関する基礎知識や事例
まず、不動産登記とは、土地や建物について、それがいかなるもの(ex. 広さ、所在地など)であるか、また、それらに関する権利関係について、公示するものです。
不動産登記が必要になる場面は、不動産について権利変動が起きたときですが、代表的な場面としては、売買が挙げられます。
この場合、不動産を買い受けたとして、その旨の登記をする必要がありますが、この際の登記は、「所有権移転登記」というものになります。すなわち、売主から買主に、当該不動産の所有権が移転したことを示す登記です。
この登記をするためには、その手続の際に、売買契約書が必要となり、かつ売主・買主が共同して登記申請する必要があります(不動産登記法60条、いわゆる共同申請主義)。
そして、ここにいう登記の必要がある、というのは、自己が当該不動産の所有権者であることを第三者に主張するために必要になる、ということを意味します。すなわち、民法上、登記は対抗要件とされており(177条)、売主以外の第三者に対して、買主自身が所有権者である、と主張するためには、登記の具備が必要になります。この対抗要件の具備が現実の問題として顕在化するのは、不動産が二重に譲渡された場合であり、この場合、仮に、自分が先に買い受けたとしても、第2買主が先に登記を具備してしまえば、第1買主である自分は、第2買主に対して、所有権を主張できなくなってしまうのです。したがって、かかる意味から、不動産登記が必要になるのです。
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