未払い残業代を請求したい!証拠がない場合はどうしたらいい?
「未払いの残業代を請求したいが、証拠がない」と諦めていませんか。
タイムカードのような確たる証拠がないからといって必ずしも残業代請求を諦めるべきだという結論にはなりません。
本記事では、手元に証拠がない場合の対処法を解説します。
残業代請求が認められる場合
残業代とは労働に対する正当な対価であり、労働者は会社に対して未払い残業代を請求することができます。
しかし、残業代請求が認められるために必要な証拠は、労働者側で用意しなければなりません。
有効となる証拠
残業代請求を行うためには、支給額の根拠(就業規則、雇用契約書、給与明細、源泉徴収票など)と残業の証拠を集める必要があります。
残業の証拠例
タイムカードは残業の最も有力な証拠といわれていますが、下記のような証拠も残業の証拠になりえます。
- 勤怠システムの記録
- PCのログイン・ログアウト履歴、業務メール(PCのデータは客観性が高く、有力な証拠となる)
- 業務日報や日誌(会社が承認するなど関与していれば有力な証拠となる)
- タコグラフ(運送業の場合)
- メモや日記(「8:53 出社、21:14 退社」など細かく記録し、他の事実と符合していれば証拠となりえる)
- 交通系ICカード(出社、退社の時間を裏付ける)
自分の元に証拠がない場合の対処法
すでに退職しているなど自分の元に証拠がない場合、以下の3つの対処法が考えられます。
会社に自主的に開示するよう求める
費用をかけずに、簡単に行える一方で、強制力がなく、証拠隠滅のリスクがある点がデメリットです。
証拠保全手続き
証拠保全手続きとは、裁判で使用する証拠を前もって確保しておく手続きをいいます。
メリットとして、裁判所が関与するため、実質的な強制力が働き、証拠が隠滅されるリスクも低い点があります。
文書提出命令の申立て
文書提出命令の申立てとは、訴訟手続において当事者が裁判所へ申立てることにより、証拠を所持している相手方など対して、所持する証拠文書の提出を求める命令のことです(民事訴訟法221条)。
この手続きを用いて、労働者はタイムカードや就業規則などの証拠文書の提出を求めることができます。
会社側が証拠文書の提出を拒んだ場合には、労働者側の主張している事実を認めてもらえるため、裁判所は会社側に残業代の支払いを命じる可能性が高いです。
時効に注意
未払い残業代の請求期限(時効)は過去3年となっています。
すなわち、3年間をすぎてしまうと残業代を請求すること自体できなくなってしまうのです。
そのため、証拠集めに時間をかけすぎるよりは証拠が不十分だったとしても、早めに行動することが大事です。
まとめ
残業の証拠の集め方、残業代支払いの請求には、専門的な知識が必要です。
残業代の未払いに悩んでいるひとは司法書士に相談することをおすすめします。
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