遺言書の作成と種類
遺言書には3つの作成方法があり、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言になります。この3つはそれぞれ作成方法が異なり、また同じ遺言書であってもメリットとデメリットが違います。今回はそれぞれの遺言書の作成方法や特徴についてご説明させていただきたいと思います。
【自筆証書遺言】
自筆証書遺言とは遺言者が手書きで記す遺言になります。以前までは財産目録についても自筆で作成しなければなりませんでした。しかし、2019年1月13日に施行された自筆証書遺言の緩和の制度によってパソコンで作ることができるようになりました。そのため、より遺言書を作成が簡単になったといえるでしょう。
メリットとしては紙とペンがあれば作成可能なのでコストがかからず、手軽に残せることでしょう。では次にデメリットについて確認しましょう。自筆証書遺言のデメリットとは自身で作成をおこなうため、不備が多くなる点です。日付や署名の記載がなかったり、遺言内容があやふやで抽象的なため遺言書が無効になってしまうケースが多々見受けられます。せっかく遺言書を残したとしても効力がなければ意味がありません。手軽で簡単な分ミスが多くなるので、自筆証書遺言の作成をお考えの方は十分注意しましょう。
【公正証書遺言】
公正証書遺言とは簡単にいうと公証役場に行き、公証人に作成してもらう遺言になります。公証人とは弁護士や裁判官、検察官などの職務に30年以上携わった人が法務大臣に選ばれてなれることのできる公務員です。
遺言書の具体的な作成方法は、まず必要書類を集めることから始めます。免許書や保険証などの本人確認書類・印鑑証明書・実印が必要になります。また、遺言書に記載したい内容を公証役場と相談しながら、実際に日程を調整します。公正証書遺言を作成する日にちが決まったら、証人2人と一緒に公証役場へとおもむきます。そこで実際の作成手続きをおこなうような流れになります。また、公正証書遺言は料金の支払いが発生しますので注意が必要です。
更に付け加えると遺言書には遺言者の正確な財産目録が必要になります。その財産目録をもとに遺言者がどの財産を誰に相続させたいかをわかりやすくさせる記載しなければならないので公証役場との話し合いは大変重要な事柄になります。また不動産や預貯金、動産などそれぞれの財産の価値を示す資料を要しますので必ず手元に用意をしておきましょう。
このように厳密に遺言書内容を決定させるので、自筆証書遺言に比べ不備がほとんどないことがメリットになります。また、同じく遺言書の内容があいまいで効力を持たないというようなトラブルも回避できます。更に作成した遺言書は公証役場にて保管されるので紛失や改ざんの心配がないことも利点のひとつでしょう。
では、デメリットはどんなものがあるでしょうか。公正証書遺言のデメリットは遺言者の所持している財産の価値によっては高額な料金が発生することです。また、入念な打ち合わせをおこなう為、作成までに時間がかかってしまい、手軽に作ることができないことも挙げられるでしょう。
とはいえ、作成することができれば効力に関してはほとんど問題がありませんので手間とお金をかけられる方にとってはとても有効な手段といえるでしょう。
【秘密証書遺言】
秘密証書遺言とはその名のとおり、遺言者が死亡後まで遺言書の内容を他の人に秘密にできる遺言書です。
秘密証書遺言の作り方はまず、自身で遺言書を作成します。作成方法は特に指定されておらず、自筆でもパソコンでも自身が好きな方法で作成することが可能です。ただし署名だけは自筆でおこなわなければならないので注意が必要です。
遺言書の作成を終えたら、遺言書を封筒にいれ封印を押します。そのあと証人になってくれる人を2人と公証役場へと行きます。そこで公証人が封紙に提出日や遺言者の申述内容を記載し、そのうえで証人が署名押印をおこなえば秘密証書遺言の完成です。完成した秘密証書遺言は自身で保管することになるのでそのまま持ち帰ることとなります。
秘密証書遺言のメリットははんといっても、秘密が守られることでしょう。遺言者が死ぬまで知りたくないことがある場合はとても有用な方法です。
反対にデメリットとしては遺言者本人以外内容がわからないので不備があっても封をあけるまで分からないことが挙げられます。せっかく遺言書を書いたのに、無効になってしまうケースがあります。また、秘密証書遺言は基本的に自身で管理をおこなわなければならないので、紛失や遺言者が亡くなった後に破棄されてしまう可能性があります。そのため注意が必要です。
以上が3つの遺言書の作成方法とメリット・デメリットになります。それぞれに特徴があるので、遺言書を残したい方は自身にあった方法で作成を考えてみてはいかがでしょうか。ただし、公正証書遺言をのぞく2つに関しては不備やケアレスミスで無効になってしまうことがあります。また公正証書遺言についても遺言の内容の書き方がわからない、といったような問題が起こるかもしれません。そんな時は一度専門家に相談することをおすすめします。
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